はじめに
2013年~2014年なので少し前の話になりますが、筆者はヒッチハイクでヨーロッパを横断した経験があります。
今「ヒッチハイク コツ」 等とGoogle検索するとたくさんの解説記事がヒットしますが、当時は何も情報が無い中で手当たり次第、トライアル&エラーで行っていました。
これらの解説記事を読んでみると、筆者が実体験の中で感じたポイントが抜けてしまっているものが多いように感じます。
そこで、本記事では筆者視点でのヒッチハイクのポイントを改めて解説していきます。
筆者の経験
筆者が2013年~2014年に行った旅行の全体像は以下の通りです。
- 東京⇒鳥取: 夜行バス
- 鳥取⇒韓国: フェリー
- 韓国⇒ウラジオストック(ロシア): フェリー
- ウラジオストック(ロシア)⇒モスクワ(ロシア): モスクワ鉄道
- モスクワ(ロシア)⇒ベラルーシ: 鉄道
- ベラルーシ⇒ポーランド: 鉄道
- ポーランド⇒ポルトガル: ヒッチハイク
最後のヒッチハイクで通った国は、以下の全9か国です。
- ポーランド(出発地)
- チェコ
- スロバキア
- ハンガリー
- スロベニア
- イタリア
- フランス
- スペイン
- ポルトガル(最終目的地)
これらの国々/地域で昼夜ヒッチハイクを行い、多くの成功/失敗(特に苦い失敗が多い 笑)を経験しました。
この中で気がついたヒッチハイクが上手くいくポイントや注意点を以下にまとめます。
ヒッチハイクにおけるポイント・注意点
ヒッチハイクにおけるポイント・注意点は以下の7点です。
- 誰とするか
- どの国/地域でするか
- 何を持っていくか
- 場所取りはどこが良いか
- 乗車後のマナーはどうなっているか
- 下ろしてもらった後はどうするか
- 危険を感じたらどうするか
順に見ていきましょう。
1. 誰とするか
まずは「誰と」ヒッチハイクするかを決める必要があります。
これが意外と重要で、誰とするかでヒッチハイクの難易度が大きく変わります。
車が止まってくれやすい順番は、以下の通りです。
- 女性1人(一番止まってまってくれやすい)
- 男性1人
- 女性2人
- 女性1名&男性1名
- 男性2名
- 3名以上(ほぼ止まってくれない)
理由は単純で、ヒッチハイカーを乗せる側の都合を考えてみるとよく分かります。
- 心理的制約: ほとんどのドライバーは見知らぬヒッチハイカーを自分の車に乗せることに恐怖心を感じますが、ヒッチハイカーが女性だと安心してくれる傾向にある様です
- 特に男性のみのグループを自分の車に乗せるには、ドライバーにとってかなりの勇気が必要
- 但し、女性の単独ヒッチハイカーは車に乗せてもらいやすいとはいえ、危険な目にも合いやすいので、十分気をつけてください(実際、危険な目にあった友人がいます)
- 物理的制約: 大きな荷物を持っているヒッチハイカーを複数人乗せるためには、かなりの車載容量が必要であり、3人以上のグループが普通の車に乗せてもらうことはほぼ不可能だと思います。
- 筆者は1人でヒッチハイクしていましたが、窮屈に乗せていただいたケースが多かったです
因みに、筆者は男1人でしたが、「威圧感を感じない小柄なアジア人だったため乗せた」と教えてくれた運転手が多く、アジア人で良かったと思ったことがしばしばありました 笑
2. どの国/地域でするか
国と地域によって、ヒッチハイクの難易度は大きく変わります。
極端な例がスロバキアで、筆者の経験では8時間待っても乗せてくれるスロバキア人が現れることはなく、毎回スロバキア内を車で旅行中の外国人に拾ってもらっていました 笑
逆に、フランスの南部(Monaco、Marseille、Montpellier 等)では5分に1台が止まってくれるくれる程で、ヒッチハイカーがどの車に乗るか選べる状態でした。(パリ 等の北部は様相が異なるらしいです)
因みに、女性のソロドライバーが筆者を乗せてくれたのも、全旅程の中でフランス南部だけです。
これらの違いは、ヒッチハイクの文化が地域で根付いているかが最大の要員だとは思いますが、同時に、その地域の方が「外国人慣れ」しているかも重要な要素だと考えます。
なぜなら、スロバキアでは筆者以外にアジア人を見かけることが全くなく、ドライバーの顔を見てもアジア人の筆者を見て驚いている素振りを見せていたためです。
踏まえると、初心者はスロバキアの様なあまり日本では聞かない国ではなく、フランスやスペイン 等の外国人慣れしていることが予想される著名な国に行くことをお勧めします。
3. 何を持っていくか
これは他サイトでも解説が多くありそうだったので、詳細は省き、ポイントだけまとめておきます。
- 白い厚紙/スケッチブック: 必須。但し、段ボールは文字の視認性が悪いため、お勧めしない
- 道路地図: 必須。筆者はポーランドでヨーロッパ全土をカバーした分厚い道路地図を購入
- 防寒具: 何時間も車が止まってくれないことがあるため、必須
- 制汗シート: 野宿しなければいけない可能性があるため、必須
- 雨具: 雨が降ればほとんど車が止まってくれなくなるため、ヒッチハイクを中断して雨宿りすることにはなるが、念のため持っておいた方が良い
尚、筆者の場合は背中に背負うタイプのバックパックではなく、ガラガラ引くタイプのスーツケースで移動していました。
この理由は、バックパックを買いたかったが当時お金が無く、仕方なく元々持っていたスーツケースを使用したためです…
但し、場所取りするために長距離を歩かなければならないことと、荷物の中身が雨に濡れにくいことから、結果的にスーツケースが正解だったと思っています。
4. 場所取りはどこがよいか
こちらも他サイトで解説があるため、詳細は省きポイントだけまとめます。
- 車が停車しやすい場所: そもそも車が止まれない場所だと誰も拾ってくれない。当然と言えば当然だが、筆者が初めてヒッチハイクした際は、とにかく交通量が多いが停車しにくい幹線道路に出向いて苦戦した経験あり…
- 登坂・カーブの外側: 車が減速する場所になるため、ヒッチハイカーに気づきやすく&止まってくれやすくなる
- 高速道路に向かう道路/高速道路の入り口: 行きたい方角へ向かう高速道路の入り口を事前に調べておく。その付近の道路や入口前に場所取りをすれば、前を通るほぼ全ての車が目的地の方角へ向かうことになるため、拾ってもらえる確立が高くなる
- サービスエリア/パーキングエリア: 「高速道路に向かう道路/高速道路の入り口」と同様で、ほぼ全員が同じ方角に向かっていることと、ドライバーに直接声掛けできることから拾ってもらえる確立が高くなる
乗車後のマナーはどうなっているか
実際に車に拾ってもらった後は、相手が不快に思いそうな行動をとらないことが最低限のマナーになります。
但し、実はこれ以外にも忘れがちだが重要なものがあります。
それは、きちんとドライバーとコミュニケーションをとること(ドライバーを楽しませること)です。
筆者の経験上、ドライバーの9割以上が「つまらないドライブの中で面白そうな話し相手ができそう」という感覚でヒッチハイカーを乗せる認識です。
これは特に長距離トラックのドライバーに顕著な傾向です。
筆者も、ヒッチハイク始めたての時にあまりコミュニケーションが取れず退屈させてしまった長距離トラックのドライバーがおり、結果、まだ目指す方角が一緒だったにもかからず途中で降ろされてしまった苦い経験があります。
ここでいう「コミュニケーション」はなにも「すべらない話」をしなければいけないわけではなく、家族構成や趣味、出身国/地域の文化/慣習 等について、お互いに拙い英語でも楽しみながら話すだけで十分です。
ヒッチハイキングは非常に疲れるアクティビティのため、車に乗せてもらった後は少し休みたい気持ちになるとは思います。
それでも、車に乗せてくださったドライバーに敬意を払いつつ、適度なコミュニケーションをとって、可能な限り相手にとっても有意義な時間にするように心がけましょう。
下ろしてもらった後はどうするか
当たり前ではありますが、車から下ろしてもらった後は、ヒッチハイクを続ける or 観光する or 宿を探すか決める必要があります。
主な判断基準は以下になります。
- まだ明るい時間帯か: ヒッチハイクの難易度が高くなるし、ヒッチハイカー自身が危険な目にあう可能性が高くなるので、暗くなりそうであれば宿を探すようにしましょう。
- 下ろしてもらった場所で観光したいか: ヒッチハイクをしているとまた同じ場所に戻ってくることはほとんどないので、ある程度大きな街やきれいな場所に到着した場合は、後々後悔しないように観光しておきましょう。
- 疲れていないか: 疲れている場合は、無理しないで宿を探すようにしましょう。
尚、筆者が上記の旅行を行った際は、貧乏学生でポケットwifi 等を長期間借りるだけのお金はありませんでした。
そのため、スマホは持っていましたがwifiがつながっておらず、新しい街に着いたら何をすべきか/どこに泊まるべきか情報収集するのに苦労していました。
ヒッチハイクを始めたての頃は道行く人に片っ端から声をかけて安い宿を探していましたが 笑、途中からほぼ全てのマクドナルドにfree wifi(+たまに使用可能なコンセント)があることに気が付きました。
もし筆者の様に日本からポケットwifiを持っていくことができない or 海外でデータ通信可能なスマホを持っていない場合は、まずはマクドナルドを目指し、貴重なwifiを使って情報収集するようにしてください。
但し、wifiで調べてもホステル/簡易宿泊所 等がその街にそもそもない場合や、これらが満室になってしまっている場合がたまにありました。
この時は必死に街で歩いている人に声をかけ、その方の家に泊めてもらうようお願いしていました。
驚きですが、世の中には本当に親切な方がいて、何人か実際に筆者を自宅に招いて泊めてくれました。
危険を感じたらどうするか
安全第一なので、危険を感じたら迷わず周りの人に助けを求めてください。
車に乗っている間の対策は難しいですが、少なくとも車が止まった/減速した瞬間に脱出/周りにSOSを出す方法を常に考えておくようにしましょう。
因みに、筆者は、イタリアの田舎町でヒッチハイキングをしている際、若者に脅されてお金をとられそうになるトラブルに遭いました。
たまたまなのか、当日は街全体が濃霧で覆われておりドライバーの視認性が悪く、中々拾ってもらえずに苦戦していました。
そうしていると、1人の若者がこちらをじろじろと見ながら道の向かいの建物に入っていく姿が見えました。
気にせずヒッチハイクを続けていると、鉄パイプをもった3人の仲間と共に建物から出てきて、道路を渡って私を囲い込み「マネー」とお金を要求し始めました。
「マネー」といっていることは分かりましたが、かなりなまった英語だったので分からないふりをして、誰か歩行者が通って助けてくれるのを期待して時間を稼いでいました。
若者もイラつき暴力的になり始めていたので、もうなけなしのお金を渡すしかないかと半ば諦めかけた時、どこからか1台の車が止まって「乗れ!」と助けてくれました。
そのドライバーはその町に住んでおり、自宅に帰る途中だったとのことでしたが、なんと高速道路に乗って隣町まで筆者を送ってくれたのでした。
「もしもっと遠くまで行って欲しいのであれば、(更に遠くの)ミラノまで送るよ」という提案も頂き、人の温かさ/親切心を真に感じた経験でした。
まとめ
ヒッチハイキングをする目的は人によって様々だと思いますが、人の温かさを感じるとても良い旅行の一手段です。
初めてやる際は、緊張するわ&怖いわ&恥ずかしいわでかなりの勇気が必要ですが、上記のポイントを踏まえて是非ともチャレンジしてみてください!
良い旅になることを願っております!
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