【ホテル】オフィシャルサイト or 宿泊予約サイト、どちらで予約すべきか

ビジネス

はじめに

旅行でホテルの予約をする際、ホテルのオフィシャルサイト or 宿泊予約サイトを利用すべきか、悩むことはないでしょうか?

筆者は、基本的にホテルのオフィシャルサイトを利用することが多いです。

なぜなら、最近は特にオフィシャルサイトで「最低価格保証」をしているホテルが多いし、オフィシャルサイトで予約した方がホテルへの利益貢献が大きく、結果として部屋のアップグレードを受けやすい気がするからです。

ただ、筆者は最近沖縄旅行に行ったのですが、オフィシャルサイトで予約したことが原因で損をする結果になりました…

この体験を踏まえつつ、ホテルを予約する際は、オフィシャルサイト or 宿泊予約サイトのどちらを利用すべきかについて考察していきたいと思います。

沖縄旅行での経験

上述の通り、筆者は最近沖縄旅行に行きました。

メンバーは筆者&妻(2名)と妻の弟夫婦(2名)の計4名で、宿泊したホテルはハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄です。

筆者はいつも通りホテルのオフィシャルサイトから、妻の弟夫婦は一休.comから、それぞれ同グレードの部屋を3泊分予約しました。

結果、妻の弟夫婦は筆者よりも1.5万円近く安上がりになった上、筆者には無かった部屋のアップグレードを受けることができていました。

アップグレードについては、妻の弟夫婦の方がホテルへの到着時間が早かったことも要因として考えられますが、WORLD OF HYATTというHyattのロイヤリティプログラムにすら加入している筆者から見れば面白くない結果でした…

ホテルと宿泊予約サイトの関係性

多くの方がご存じかもしれませんが、ここで改めてホテルと宿泊予約サイトの関係性をおさらいしておきましょう。

ホテルは通常、自社が運営するオフィシャルサイトと宿泊予約サイト(Online Travel Agency, “OTA”)に空き部屋の状況を掲載し、どちからでも宿泊予約ができるようにしています。

但し、基本的なスタンスとして、ホテルはユーザーが自身のオフィシャルサイトから宿泊予約することを望んでいます

その理由は以下の3つです。

  1. 手数料:
    • 宿泊予約サイトから予約があった場合は、ホテルがその宿泊料金の10%~20%程度を宿泊予約サイトに手数料として支払うことになります
    • これは、オフィシャルサイトからの予約であればもちろん発生しない手数料のため、ホテルにとってはオフィシャルサイトからの予約の方が「儲かる」ことになります
  2. データ
    • 宿泊予約サイトから予約があった場合はホテルに最低限の予約者/宿泊データしか共有されませんが、オフィシャルサイトであれば全てのデータが取得可能です
    • 多くのホテルでは、サービス・マーケティング・ブランディング 等の改善にこれらのデータを活用しており、より多く&質の良いデータを蓄積することがアドバンテージになります
  3. ユーザー
    • 宿泊予約サイトはもちろん、多くのホテルがオフィシャルサイトにて独自のロイヤリティプログラム(ポイント制度 等)を構築し、ユーザーの囲い込み競争を行っています
    • オフィシャルサイトで予約するユーザーに対しては、ロイヤリティプログラムへの加入を促すことができ、次回の旅行でも同ホテル or 同グループのホテルを利用してもらう効果を期待できます

これを踏まえ、多くのホテルでは「最低価格保証」 等を行うことで、自身のオフィシャルサイトにできるだけユーザーを集客する努力を行ってきた経緯があります。

それでは、なぜ筆者は今回の沖縄旅行で損する形になってしまったのでしょうか?

価格の違い

ホテルのオフィシャルサイトと宿泊予約サイトにおける価格の違いを見ていきます。

ここでは、筆者が実際に泊まった「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」を例に、Hyattのオフィシャルサイトと一休.comの宿泊価格を比較します。

以下、Hyattのオフィシャルサイトと一休.com共通の検索条件です。

  • 利用者・部屋数: 1名・1部屋
  • プラン: 最安プラン(スタンダードツイン/食事なし)
  • 泊数: 1泊
Source: WORLD OF HYATT

この条件でHyattのオフィシャルサイトと一休.comを比較すると、以下のことが分かりました。

  • 本日チェックイン(当日予約)だと、一休.comの方が約3千円/泊(11%)安い
  • 明日~6月上旬チェックインだと、一休.comの方が千円弱(約3%)安い
  • 7月以降のチェックインだと、オフィシャルサイトの方が3千円弱~1.7万円/泊(6%~27%)安い

(注)グラフをクリックすると拡大表示されます

* 宿泊料金は、5月10日時点の総支払額(部屋代+税金+サービス料)で表記。

実は、筆者は当日(正確には、前日の深夜)に宿泊予約をしていました。

当日予約だと常に一休.comの方が安くなるのかは分かりませんが、少なくとも筆者が予約した際はこの状態だったのだと考えられます。

妻の弟夫婦と中々時間が合わず、ギリギリでの予約になってしまったことを今になって反省しています…

また、一歩踏み込んでHyattがとっていると考えられる戦略を勝手に予想してみました。

  • できるだけ多くのユーザーにオフィシャルサイトで予約してもらうことが基本方針
  • これを実現するため、通常は、一休.comの表示価格を高く設定し、オフィシャルサイトの「お得感」を醸成
  • 但し、1か月前になっても予約が埋まらない部屋については、オフィシャルサイトでの集客は諦め、一休.comの強力な集客力を利用
  • その際、オフィシャルサイトの価格は一定に保ったまま、一休.comの価格のみを値下げ
  • これにより、オフィシャルサイトで値引きを行うことによるブランド棄損リスクを避けつつ、空室リスクをコントロールしているのではないか
    • 「アウトレット」と同じモデルで、一休.comを在庫処理の「調整弁」として利用

Hyatt以外のホテルでは違う傾向が見られるかもしれませんが、多くのホテルで同じような戦略がとられているのではないでしょうか。

まとめ

もちろん、人によって状況/価値観は様々で、宿泊価格だけで予約をするサイトを決めない方も、相当数いらっしゃるとは思います。

但し、筆者含め、多くの方にとっては、宿泊価格が最大の判断基準になっているものと考えます。

以上を踏まえ、宿泊価格にスポットライトを当てた時に得られる示唆は、以下になります。

  • 当日に宿泊予定がある場合は、宿泊予約サイトの方がお得
  • 1か月後くらいに宿泊予定がある場合は、宿泊予約サイトの方がお得
  • 2か月後くらいに宿泊予定がある場合は、以下2パターンで対応が分化
    • 人気ホテルで満室リスクがあり、今すぐ予定する必要があるなら、ホテルのオフィシャルサイトの方がお得
    • 急ぐ必要が無いのであれば、宿泊予定日の数週間前まで待って、ホテルのオフィシャルサイトと比較しつつ、宿泊予約サイトでの予約を検討

それでは、余裕を持ったスケジュールで、お得に旅行をお楽しみ下さい!

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