COGNITEEというサービスをお存じでしょうか?
筆者は2022年5月15日の講演会に参加するまで知りませんでした。
今回は、このサービスの概要と筆者の所感をまとめていきます。
COGNITEEの概要
COGINTEEは、業界や用途別に複数の商品ラインナップを複数揃えています。
提供するソリューションは基本的にどの商品も同じはずなので、今回はこの中でも講演会で説明があった、COG-SALESについて概要を説明します。
COG-SALESは、「科学的」にあなたの/あなたの会社の営業成績を改善するソリューションになります。
具体的な改善ステップは以下の通りです。
- 商談の音声/映像データをCOG-SALESにアップロード
- COG-SALESが「AI」を使って、1トーク毎に良い点や改善点を分析
- COG-SALESからの分析レポートを使って、営業現場でトークを改善
「トークを分析ってどいうこと?」と疑問に感じる方も多いと思いますが、以下をはじめとする細かい指標がグラフ化され、レポートとして出てくるイメージです。
- 営業マンと顧客の発言量はバランスが取れているか
- 営業トークの中身を見た時に、提案/理由付け/具体例 等のバランスがとれているか
- 話したいことだけ話さず、各テーマごとの発言量でバランスが取れているか 等
音声/映像データを活用し、実際に契約が取れた営業トークの「勝ちパターン」と取れなかった「負けパターン」の差異を分析し、より理想的な営業トークを練り上げることができることができます。
また、成績優秀者の特徴を平均化した「勝ちパターン」に低成績者の営業トークを似せていくことになるため、特に低成績者の成績底上げにつながります。
低成績者のテコ入れに悩む営業部長にとっては、低成績者の課題と改善点を言語化/可視化してくれるこのソリューションが救いの手になりそうです。
但し、当たり前ですが、COG-SALESを導入したら魔法の様に営業成績が向上するわけではないことに留意しましょう。
COG-SALESの分析レポートを参照しながら、自分の頭で改善策やその導入方法を考え、主体的に改善効果をモニタリングしていくことが必要になります。
筆者の所感
結論、使ってみたいです 笑
筆者はゴリゴリの営業マンではないですが、プレゼン内容を分析してくれるCOG-PRESEN含め、自分の発言を客観的に分析/可視化してくれる本ソリューションには非常に興味があります。
特に、自分では特に課題と思っていない点を指摘してくれる点がありがたいと思っています。
一方で、講演会の短い時間ではよく理解できなかった点が4つあったので、実際に導入する際はこの疑問を明らかにしておきたいと考えています。
- 「AI」が分析するとのことだが、どこまで自動化できているのか
- 商材やターゲットによって分析ポイントを変えているとのことだが、どこまでオーダーメイド可能なのか
- 自社における「勝ちパターン」だけでなく、競合を含めた業界全体の「勝ちパターン」も教えてくれるのか
- 結局、「勝ちパターン」は何を意味するのか
1. どこまで自動化できているのか
講演会での説明によれば、営業トークの音声/映像データをCOG-SALESにアップロードしてから分析レポートが出てくるまでのリードタイムは、2~5営業日とのことでした。
また、時短勤務の方も多いようですが、コグニティ株式会社は日本各地&海外に従業員を抱えているとのことで、それなりに従業員数が多い模様でした。
これを聞いて受けた筆者の印象は、「リードタイムが想像より長いし従業員数も多そう…AIが分析しているとは言っているが、実は多くの部分で人の手が介入されているのではないか」というものでした。
筆者の想像(妄想)は以下の通りです。
- 文字起こしソフト(=AI?)を使い、音声データ/映像データをテキスト化
- テキストデータのタグ付けは人力で実施
- 例: この部分は提案パート、ここは顧客に対する質問①、ここからは別のテーマ… 等
- データ分析ソフト(=AI?)を使い、各タグの文字数や勝率との相関関係 等を分析
- 分析結果をレポート化し、COG-SALESのユーザーに提出
もしこれが正しいとすると、まず「これって本当にAIなの?」という疑問がわきます。
また、それよりも本質的な問題として、結局、分析の正確性がタグ付けをする方の能力に依存してしまうことが挙げられると思います。
トーク毎に分析の精度や基準が変わることになってしまうし、COG-SALESが売れてコグニティ株式会社が忙しくなるほど1分析にかけられる時間が減り、正確性が低下していくことにもなりそうです。
もしかしたら筆者の想像(妄想)が完全に間違っているのかもしれませんが、導入前にこの点は質問しておきたいと思います。
2. どこまでオーダーメイド可能なのか
講演会の説明の中では、「商材やターゲットによって分析ポイントを変えられる」趣旨の説明がありましたが、これがどこまでオーダーメイドできるのか疑問です。
というのも、ターゲットや商材はとにかく多岐にわたり、ユーザーによって見たい分析ポイントが細かく異なると思うからです。
- ターゲット(以下、例)
- デモグラ(性別、居住地域、年齢、家族構成、国籍 等)
- 年収/保有資産額(超富裕層、富裕層、一般層 等)
- 企業(to B) or 一般消費者(to C) 等
- 商材(以下、例)
- 価格帯
- 有形 or 無形
- 購入頻度 等
例えば、データさえ渡すことができれば、「東京都在住×40代男性×富裕層×一般消費者を今後の重点ターゲットとするため、この消費者層に対する『勝ちパターン』を分析してくれ」と言ったら分析していただけるものなのでしょうか?
導入前に要確認です。
3. 競合を含めた業界全体の「勝ちパターン」も教えてくれるのか
COG-SALESは、自社データを分析することで、自社における「勝ちパターン」を導出することができるツールだと理解しました。
ただ、ユーザーとしては、自社だけでなく業界全体の「勝ちパターン」を見たいと思います。
といのも、自社における「勝ちパターン」を見つけても、それが業界全体の「勝ちパターン」と比べると、勝率が低い可能性があるためです。
とはいえ、業界全体の「勝ちパターン」をCOG-SALESのユーザーに共有することは難しいのではないかとも考えています。
理由は、特に業界のトッププレイヤーは、自社の営業ノウハウが他社に流出することを恐れるだろうと思うからです。
もしこの想定が正しければ、COG-SALESは他社の勝ちパターンを社内に導入することに必死な、あまり優秀でない会社が集うツールになってしまうと思います。
それはそれで1つの戦術だとは思いますが、業界内の優秀なプレイヤーが損をして、あまり優秀でないプレイヤーが得をするような構造には、コグニティ株式会社としてもしたくないのではないでしょうか?
4. 結局、「勝ちパターン」は何を意味するのか
トップセールスは独自の哲学や営業手法を持っている印象で、つまり「職人」だと思っています。
そんな十人十色の「職人」の特徴を定量化⇒平均化して出した数値が「勝ちパターン」だという理解ですが、この数値が結局何を意味しているのかイマイチ良く分かりません。
まずはこの平均値を「勝ちパターン」として使ってみて、実際に勝率が上がればそのまま継続利用し、上がらなければ変数を変えてながら微調整していくイメージなのでしょうか?
トークの良い点と改善点が指摘されて言語化されるだけでも、COG-SALESには十分な価値があることは間違いないですが、筆者はその基準となる「勝ちパターン」の定義が良く分かっておらず、ここも要確認だと思っています。
まとめ
COG-SALESは非常に興味深い商品でした。
2022年5月15日の講演会のスピーカーは2人だったのですが、筆者のお目当てはその内の1人であるYoutube登録者約25万人の宋世羅さんで、実はコグニティ株式会社の話には元々あまり興味がありませんでした。
ただ、結果的には、非常に面白そうなソリューションを紹介するコグニティ株式会社代表取締役の河野さんの話に聞き入ってしまいました。
もし営業トークで悩まれている方がいらっしゃれば、是非COG-SALES、ないしは、他製品の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
皆様の輝かしい営業成績をお祈りしております!
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